いわきの空の下

ある日本人の不思議な体験番外編「IN　kunshan」

ノックの音がする

今、私は中国昆山のHotel「一酔賓館」に滞在中だ。
仕事が終わり、仲間と食事をし部屋へ戻っていたところである。
シャワーを浴び、ビールを飲みながら考え事をしていた。

すると、電話が鳴った。


出ようか出まいか迷っていた。

ここは、上海の高級ホテルではない。

きっと、Ｍａｓｓａｇｅの誘いの電話
それでないとしても、いかがわしい電話のかの性が大きい
電話は無視することに決めた。

しばらくして、ビールが最後のいっぱいになったことで
これを機に、ベッドに潜りこむことに決めていた。

そのときである。

ドアをノックする音が聞こえた。

これもまた、ややこしいことになりそうなので無視することに決めた。

しかし、ノックも音はやまない
仕方なく、居心地のいいベッドから抜け出しドアへ向かって歩き始めた。
ドアスコープから覗くとそこには誰もいない・・・
いたずらか・・・
小さく舌打ちしてベッドへ戻ろうとすると
又、ノックの音がする。
さすがにいぶかしく思い、ドアを開けると・・・・・・・・・・
そこいは・・・

誰もいない
「えっつ」

さらに、チェーンロックをはずしドアを大きく開ける
やはり誰もいない。

しかたなく、ベッドに戻りしばらくすると
又、ノックの音が必要に響く

我慢できずドアへ行きスコープを覗くとやはり誰も見えない。

背筋が凍る。


結局その後３回ほどノックは続いた。でも怖くて出られなかった。
一睡も出来ず朝を向かえ、おそるそるドアを開けると
やはり何事もなかった。



朝食をとっていると同僚がきた。
昨日どこ行ってたの？飲みに行こうと誘おうとしたのに電話に出ないし部屋に行っても居ないし・・・・
その言葉を聴いたとき

私は恐怖心が怒りにゆっくりと変ってゆくのを感じていた。